「兜飾りの歴史を知りたい」
「兜飾りの由来を知りたい」
「兜飾りの選び方のポイントは?」
兜飾りは子供の日のお祝いにも飾られることが多い人気の飾りです。
兜を端午の節句の日に飾るようになったことは、日本に昔武士という階級が存在したことと関係しています。
武士の家では生まれた子どもが丈夫に育ってくれることを願って、毎年端午の節句の日に兜の飾りなどを飾り、子どもの成長をお祝いしていました。
こうした武家の風習が残されて、現在の家庭でも子供をお祝いするために飾りが使われています。
目次
実用性よりも見た目の華やかさを重視している
子供の日に飾られる兜飾りは、昔武士が戦場で使用していた本物とは大きくデザインが異なっていることが特徴になっています。
戦場で実際に使用されていたものは、実用性を重視するために、見た目だけが重視されていたわけではありませんでした。
ですが、子供の日の飾り用として作られる飾りは実用性よりも見た目の華やかさを重視しているために、実践用の兜には使用されていない派手な装飾なども多く使用されています。
装飾の部分が多いため、見た目も非常に美しいのが飾り用の兜の魅力になっていて、子どもの成長を祝う日に飾るためには最適なデザインと言えます。
式典や儀式などの場所で武士が使用していたもの
こうした飾りが多くつけられている兜は、モデルになっているものがあります。
それは式典や儀式などの場所で武士が使用していたものです。
こうした式典などでは、防具としての実用性は不要になるため、華やかな装飾のついたものが多く製作されました。
子供の日のための飾り兜と共通するところも多く、見ているだけで楽しい気持ちになれるところも共通しています。
戦国時代が好きな子どものお祝いにもこうした兜飾りは最適な贈り物で、子どもが好きな戦国武将の使用したモデルを購入してプレゼントすれば、子どもにも非常に喜ばれます。
飾り用の兜を選ぶ時のポイントとなるのは、商品につけられている飾りの種類です。
特に見た目に大きな影響を与えているのは、立物と呼ばれている部分です。
鉢や眉庇の部分に立てることにより、見た目を華やかにすることができます。
つけている人を強そうに見せる目的などのために、こうした部品は使われていました。
立物の中でも特に存在感がある前立という飾り
立物の中でも特に存在感があるのは前立という飾りです。
これは本体の正面の部分につけるもので、大きなものをつければそれだけ存在感を増すことができます。
飾り用のものにつけられている前立にも実際に使われていたものよりも大きめなものが使われることがあり、大きな前立をつけることで兜が非常に立派に見えます。
前立は形によっていくつかの種類があり、飾り用のものにも使用されることが多いのは鍬形というタイプの前立です。
このタイプの外見の特徴としてあげられるのは、先端が鍬のような形をしたU字状であることです。
飾り用のものには金メッキなどがされることも多く、高級感があります。
鍬形が本物の兜に使用されてきた歴史は長く、平安時代の頃から防具の飾りとして使われてきました。
作り方も時代と共に変化していて、平安時代の頃は鍬形をとめた台を、鉢に紐でくくりつけていました。
武将の個性があらわれたものなども多く製作されている
鉢に台を直接とりつけて、そこに鍬形を差し込む作り方がおこなわれるようになったのは、鎌倉時代になってからです。
この方法を採用することにより、つけた鍬形をより安定した状態で固定できるようになりました。
時代が下るとさらにさまざまな形状の前立が作られるようになり、武将の個性があらわれたものなども多く製作されています。
このような個性的な兜をモデルにして製作された飾り兜も多く、個性のある子どもに育ってほしい時に飾るのにも最適です。
戦国時代にもさまざまな形の前立を使用した兜が作られ、日輪をデザインしたものなども作られています。
月がモデルとして使用されることもあり、半月の形をしたものや三日月の形をしたものが、飾りとして使われました。
こうした太陽や月をモデルにした装飾は、古くから使用されてきた鍬形のものとは異なる魅力があり、当時としては非常に画期的なデザインでした。
戦国時代の武士が太陽や月をモデルにした前立を多く作っていた理由
戦国時代の武士が太陽や月をモデルにした前立を多く作っていたのは、当時流行していた信仰とも関係しています。
戦場で神様や仏様の力を借りることができるように、太陽などの自然をモデルにした装飾をつけた防具を使用していました。
動物や植物をモデルにした飾りが作られたこともあり、他の種類のものとは一味違う個性を出すことができるのがメリットです。
動物をモデルにしたものの中には、動物の体の一部に似せて作られたものもあります。
こうした兜の中でも特に有名なのが、水牛の角をモチーフにして作られているものです。
水牛の角は普通の角よりも全体的に長めになっているのが特徴で、兜の装飾として使用される時も、角の部分が長めに作られることが多くありました。
有名な戦国武将が所有していた兜の中にも、水牛の角をモチーフにして製作されたものがいくつかあります。
まとめ
兜に角がつけられる場合には脇立という方法が使用されるのが一般的で、これは本体の横側の部分に立物をつける方法です。
横側の部分につけることにより、非常に長い装飾でも取りつけやすくなっています。
飾り兜として販売されている商品の中には、こうした脇立を忠実に再現しているものもあります。
コンパクト兜
最終更新日 2025年5月20日 by rosseng